4話!
記事を書くのにも少し慣れてきましたね。
「語彙力のあるオタク」に続き「読解力のオバケ」という大変誉れ高い反応をチラホラ頂け、語感が気に入っています。
まだまだ序盤で作品のことをしっかり理解しているわけではありませんが、今週分も伸び伸び書こうと思います。
3話は主にキャラの語りに終始した1回でした。
4話は核となるドリフェスを中心とした演出&ストーリー展開を楽しめる1回でしたね。序盤の区切りとも言える今週の一話の感想を書かせて頂きます。
明かされるドリフェスの仕組み
4話にして初めて語られたドリフェスの仕組み。
振られているサイリウムのカラーによって、視覚的に配点が分かるという斬新な採点方式。ライブ中は担当カラーを振り、ライブ終了時には採点用の色を振るようなイメージでしょうか。
その場でステージ上のスター達に即評価が伝わるという分かりやすさが魅力ですが、逆に言うと振っている側は何点を入れたかが周りに分かってしまうので、生徒会に対する裏切りが許されない構造をより明確にしている要素でもありそうです。
アニメとしては、色の振り分けがパッと見で分かり辛いのが難点になりそう(多くの場面で虹色が全面に振られることになる?)この要素が映像として効果的に活きてくる話があるのかが気になりますね。
加えて総合結果には会場外WEB投票の点数が加算されるので、校外ファンが中心のS1であっても、最終的なスコアは生徒会有利なように仕組まれているというのもポイント。
そして謎の対バン形式。
対決したユニットは同じ観客を分割して競うのに、S1の大会としてはその分け合ったスコアが反映されるスーパーインチキルール。このルールのせいで紅月は大きな失点を招くことになり、Trickstarに敗北を喫することになりました。
ストーリー展開の上っ面だけ追うと、実質対バンするメリットがゼロなルールに見えてしまい「いやいやこんなの確認してれば普通気付くだろ…」と言いたくなるレベルで蓮巳の反応が間抜けに見えてしまうきらいがありました。ここが4話における最大の引っかかりポイントです。
ですので、今回まず僕は「何故蓮巳は気付けなかったのか」に焦点を当てて、ミリしらなりに対バンルールについて考えてみました。
慢心がもたらしたケアレスミス
まず冷静に分析すると、ドリフェスの対バンは実力が拮抗したユニット同士で行った場合、極論ライバルの配点を0にすることも可能な特別ルールなようですね。
会場評価でほぼ満点を取れる優勝候補ユニットが2つある場合、対バンを申し込むことでライバルの票を抑え込み、WEB投票に依存しないアドバンテージを取れる可能性があります。ただし、その他のユニットが会場評価で高い成績を出してしまうと、そのユニットに漁夫の利を取られてしまうという大きすぎるデメリットが存在する。
今回はそのルール上の抜け道を利用し、Trickstarに優勝のチャンスを作り出した朔間先輩のファインプレーが光ったということでした。
しかしこの対バンルール、どう考えても上述した状況の再現性が著しく低く、有効に活用できる場面が限られています。リスクとリターンが噛み合っていない飛び道具と言わざるを得ません。
ですが生徒会ユニットのみに関して言うと、校内(会場外)評価で常に最高を取れる確実な前提があるおかげで、対バンを常に有利な状況で活用できます。
よってこのルールは紅月にとって有利点が多いように見えますし、むしろ生徒会ユニットのみが有効に使えるルールとして新設されている?ようにも感じられました(ただ紫之くんがこっそり付け加えていた説明書きが対バンルールのことだったなら、ルール自体は"それっぽく見せた"朔間零の謀略かも…?)
ここまで考えると、紅月全員がその新ルールの欠点を見落としたというのは不自然ではないとも取れ、僕の中で話の辻褄が合ってきました。そもそもこの時点ではTrickstarが取るに足らない実力値だったことも考えると、余計気に留める必要がないものだったのかもしれません。
ただし一瞬映り込んだ鬼龍の横顔を見るに、彼は気付いていながら蓮巳を止めなかったようにも感じられました。前回、あんずちゃんと明星くんに話した内容ともリンクするので、その可能性は高そうです。
だとすれば、蓮巳が勢いでUNDEADに対バンを申し込んだこと自体、完全に慢心がもたらしたケアレスミスと捉えることは可能。訳が分からない特別ルールでアンフェアに敗れた…とは言い切れないのだろうと推察しました。
紅月自体は実力も申し分ないユニットなのだとは思いますが、システムの加護を受けることで、勝利までを流れ作業のように認識してしまっていたところはあるのでしょう。今回の敗北は彼らにとっても新たな成長の兆しであると言えそうです。
最初から完成されたユニットであるからこそ、物語の中で彼らなりのスタートが必要。それがこのドリフェスであるのは間違いないでしょう。よりパワーアップした彼らのステージにも期待が高まります。次は牛久大仏辺りを真っ二つに割ってみてはいかがか?花火を上げても良いと思う。
Trickstar始動 革命の夜明け
教わって1週間で全員分の衣装を製作する超理解力に手先の器用さ、鋼の肉体と精神を持ち合わせる弱々しくない女の子、あんずちゃん。お前がリーダーだ。その力を借りていよいよステージに立つTrickstar!
改めて4人のパーソナリティーの紹介がありましたね。
キャラが多いアニメなので、ここで主人公勢たる彼らのおさらいができたのは、初見的には真面目にありがたいと思いました。
特に氷鷹くんは、話の進行役に回ることが多いこともあり何かと台詞が多いせいか、逆に彼の名前が呼ばれるシーンがここまでかなり少なかったと思います。名前を覚えられずにここまで来ている人も実は多い気が。今回も安定の進行担当でした。
「遊木はちゃんと分かっている。観客が和むために必要なのは、三枚目のおとぼけキャラだと」
本当か???
一歩間違ったら酷い悪口だぞ???お前ちょっとそういうとこあるよな???
直前の2winkこと葵兄弟がパフォーマンスをやり切らず終了し、観客の気持ちを燻らせた状態でTrickstarにバトンパスというお膳立ても完璧。一番良いところでお預けを喰らった観客の「より良いものを見たい」という欲求はMAXに。正に彼らを優勝させるためだけに組まれたSAKUMAREIの謀略。これが三奇人のやり方…。
"皆で1つになる"ライブ演出
4話にしていよいよ来る4人の初ステージ。
「Rebellion Star」という物騒なタイトルのわりに曲調と振りは正統派アイドルグループ!ようやくまとも(※普通の意味)な演出のライブが見えている気がする!
揃った振りを楽しそうにしっかり合わせるステージングは、2話で見せた頑張っているだけでチグハグだった彼らから大きく成長し、息の合った堂々とした内容。
「合わせる」という観点で見れば、先行した紅月やUNDEADのものと比較しても最も美しい形に仕上がっていたと思うし、観客に見せつけるプレイではなく、観客を楽しませるプレイが徹底された演出なのも印象的でした。
正にTHE 主人公という内容。
"皆で1つになる"安心感のあるキラキラしたステージ。
普通はこれから始まるのがいわゆるアイドルアニメだと思うのですが、『あんスタ』はキワモノを先に2つ出してきたことで、この安心感へ至る期待感を利用したお話創りになっているのが序盤の大きなポイントでした。
1話で感じた妙な違和感が、1つの形となって結実したのがこのTrickstarのステージだと感じました。
キャラが成長したというより、1つの結果が生まれたという感覚の方が強くあります。4話を持って『あんスタ』はきっと、何かへと至り実を結ぶ物語がこのまま連続して行くのではないか、と思いましたね。
リーダーが誰かすら決めていない、Trickstarはそんな横の繋がりのみで始まったユニット。和気あいあいとした雰囲気が彼らの魅力。しかしながら、縦の意識がない組織は活動が馴れ合いへと発展しやすく、それが各々の意識の差と重なって軋轢を生む…ということも少なくありません。
「え"?」
仲が良いのはもちろん良いことですが、いざという時に他人任せにしなくて良いよう自分達の中でのケジメをつけることが、今後の彼らの課題となりそうですね。女の子はちゃんと大事にしような。なんであんずちゃんが毎回酷い目に遭うアニメになっているんだ?
垣間見える権力の影
生徒会に歴史的敗北が刻まれ、にわかに沸き立つ夢ノ咲学院。
パッと見ですが、グラフのWEB投票の結果だけ見ても「紅月以外の総計>紅月」となっているように見えるので、今回のS1では生徒の半数以上は生徒会を支持しなかったということになります。これはTrickstarの勝利よりも学院的には大きな意味を持つものかもしれません。
そんな状況を鑑みてか、続々と姿を現したより強い力を持つ者達も4話の見所。
まずついに登場した権力の犬、性悪先生。
ヤクザと癒着がありそうな声をしている。姫宮くん、まぁまぁ立場ってもんがわっかーればよろしい。
失敗することにやたらとシビアな方なようなので、過去に自身が大きな失敗をして干された経験がありそうというのが自然な想像です。
こういった特殊な学校で教師の職に就き後進の指導に当たる人の中には、自身がパフォーマーとして大成できなかった方も多くいて、それにコンプレックスを抱いていることも多いと思います。一般的な高校の先生にも、研究者になり切れなかった人がいたりしますよね。
彼にもそういった事情があるのかもしれません。
挫折的な過去を持つ人間は、特別良い指導者になるパターンと、特別悪い指導者になるパターンに大きく分かれるイメージがありますが、今のところ彼は後者に見えますね。大人キャラの一番星として、これから激しい活躍をしてくれることに期待しています。
そして大ボス感を出して大ボス感だけを出したまま去って行った謎の生徒会長
天祥院英智。
すごい強そうな名前ですよね。
まず何たら院という名字が強いし、頭に天が付く名字のキャラはだいたい強い。しかも下の名前の語感まで圧倒的に強い。極めつけに声も強いので、分かりやすく強いキャラが出てきましたという感じです。恐らく得意技は、手から光の弾を出して相手を圧縮し爆発させる光属性魔法でしょう(※イメージです)
キャラが多いアニメですと、名前などの絶対必要情報を利用してそのキャラの特徴を提示しておくのは特に重要。そういう意味で、彼は分かりやすく印象深いボスキャラとしてインパクトを残して行きました。
他は今のところ全く分かりませんが、それだけ分かっていれば今は良いのだと理解しました。いつかの活躍を待っています。
4話までは紅月のリーダーにして生徒会副会長、体制の維持を是とする蓮巳敬人が実質的なボス格であり言わば悪役でしたが、早くもその上の存在である教師と会長が登場。蓮巳はじめ紅月のメンバー全員の物語上の立ち位置も変化したと言えます。
いよいよ多面的に動き出しそうな予感がする物語を楽しんで行きたいですね。
おわりに
今回はスマートかつスタイリッシュに話が進む分かりやすい一回。全4話中で最もサラッと見えるし、ここまでの総まとめとして駆け抜けた印象です。
理不尽な仕打ちを受けたRa*bitsのメンバーの今の気持ちや立場も何となく見え、4話までに存在していた謎はだいたいここまでで一通り回収されたのではと思います。
総合的に見ると、設定に一筋縄で行かなさそうな違和感があるものの、ストーリー自体はまだまだオーソドックスの範疇。1つの形が綺麗に仕上がったに過ぎないといったところでしょう。
とは言うものの、ここまでの物語をたった4話にまとめ仕上げてきた構成力は流石の一言。そう、まだ4話なのです。1クール分の達成感があったし、何ならもう終わった気さえする。
シリーズ構成である原作者の日日日先生と菱田監督のタッグによる強気の展開には舌を巻きますね。ちなみにシリーズ構成とは、全話かけてどの話をどう1話ずつ区切るかの全体構成を考えるポジションだそうです。どのようなやり取りが交わされこのような形に落とし込まれているのか、非常に興味深いところ。
つまり担当でバッサリ分けた場合、この話を4話で終わらせると決めたのは監督ではなく原作者様の方。お誕生日おめでとうございます。まさかの僕と同じ7/29生まれ!ご縁がありますね。ありがとうございます。
今後これらの要素を活かした物語が、同密度で20話近く展開されるのだろうと思うと楽しみです。
5話は「マリオネット 前編」ということで、2話で1つの物語の様子。何やら『あんスタ』ファン界隈をどよめかせるエピソードのようで、いよいよ真骨頂が見られそう?来週がもう既に楽しみです。
それでは今回はこの辺りで。次回もまた頑張って書きます。よろしくお願い致します!
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