お待たせしました14話!
(※総集編が非ナンバリングとのことで修正しました)
前回から明らかに新しい風を吹かせてくれていたアニメ『あんスタ』。流星隊にフィーチャーした、2クール目のスタートダッシュと言わんばかりの勢いが魅力的なお話でした。
今回からは、1クール目で積み上げてきた関係性を利用した新しい物語のスタート。我らが転校生あんずちゃんを中心として、夢ノ咲学院に刻み込まれる新しい1ページ。
七夕祭(前編)、今回も語らせて頂きます。
よろしければお付き合いくださいませ。
目次
ドリフェスを企画する重大性
流星隊のスーパーノヴァ企画の功績を買われ、英智からの指示でドリフェスを企画することになったあんず。
話から察するに、学院的に「ドリフェスを企画する」ことはかなり重大な意味を持つようで、会う人会う人に驚かれていくことに。普段は誰がドリフェスを企画立案しているのかは語れませんでしたが、この辺りの情報は原作だと詳しく書かれているところなのかも?
現状で学院唯一のプロデューサーであるあんずが経験値を得て育っていくことは、夢ノ咲学院全体の利益に繋がっていく。それを見越した上での大抜擢ということでした。
例によってビジネス的な考えで「全」を意識する生徒会長 天祥院英智の手腕は、DDD以降も健在といったところです。
皆からの助言や助力を受け、着実に"皆が望む新しい形式のドリフェス"に向かっていく転校生。
彼女の行動とそれを取り巻く生徒達の関係性が描かれるという今までにない形式の物語のスタートです。
前半で活躍したキャラクター達
前半は、今まで比較的出番の少なかったキャラクター達を少しずつ掘り下げていく内容でした。
ですので、まずは1人1人彼らについて分かったことを記述して行きましょう。
羽風薫
あんずちゃんに露骨に躱される男。
海洋生物部?ってなんだ…?好きな生き物はクラゲかタツノオトシゴ?(イメージ)
女の子にはあまり困らないはずですが、めげずにあんずちゃんに優しくしようとする性格。自分を避ける女の子に対して執着するタイプ?
「まずは協力者を作ったら?」という堅実なアドバイスは、だらだらと生きることに長けた彼らしい思考というところでしょうか。楽に生きたいのであれば、自分を楽させてくれる相手(仲間)を周りに抱え込んでおくのが得策です。
登場時間は短かったものの、その端々から今までは分からなかった彼らしさが、何となく見えたような気がしますね。
神崎颯馬
違うユニットであるアドニスとランニングに励んでいたことから同じ部活動繋がりなのかと思われたが、どうも海洋生物部?に所属しているらしい。
アドニスくんとはどんな関係なのだろう。
まさか海洋生物部がトレーニングをしているとは思えないし、アドニスが羽風に「同じユニットなのだから~」と言っていたことを考えると、同じ部の所属ではないだろうと思っています。
今回Trickstar以外ではあまり意識されてこなかった「クラスメイト」という価値観が初めて大きく扱われたと思うので、その辺りでしょうか?でも前に神崎はTrickstarと教室で会話するシーンがあったような…。アドニスはいたっけな…(そろそろ曖昧な記憶の部分が出始める頃合い)
硬派で攻撃的なイメージの強い紅月に所属、サムライ然とした振る舞いで存在感を強める彼が、意外とインドアな部活に所属しているのはギャップ要素。
しかし忍者同好会(1人)に所属していた流星隊の仙石忍くんが、一応は忍者に関わる活動をしているからこそあのキャラなことを考えると、今のところ侍とキャラの関連性がイマイチ掴めない神崎は単純にヤベー奴なのでは?とさえ思える始末。
こういうところにも納得行く理由を用意してくるのがこの作品なので、そのうち分かるだろうと勝手に思っています。
乙狩アドニス
会話シーンがまだかなり少ないアドニスくん。
今回で神崎を上回る無類の体力オバケであることが判明したものの、パーソナリティは未だ不明。
羽風との関係性から、不明瞭だったUNDEADの結び付きがより不明瞭になり(俺の)混乱を招くという珍事を引き起こしてくれることに。ただ、名前を覚えてもらっていないだけで、羽風からの人間性への評価は高いよう。仲が悪いということではない様子。
UNDEADは最序盤から頭角を現しているユニットでありながら、朔間零以外のパーソナリティがあまりに不明すぎるので、そろそろ拾ってほしいなぁとは思っています。
逆先夏目
こんなクラスメイトは嫌だ。
相変わらず厨二臭い言い回しが得意の黒歴史メーカー。
しかしアドリブに弱いと言うか、冷静に対応されると常識的な突っ込みで返してしまう辺りの"徹底できなさ"は半年前と変わらずの愛らしさといったところ。
日直をすっぽかしたり「僕と付き合ってくれない?」という微妙に無神経な発言など、基本的には自分本位な性格…いや、どちらかと言うと、他人との接し方にあまり頓着がないという印象。
人間性のベースは他人を思いやり人のために動ける少年。常識もあって育ちの良さが垣間見えるものの、人付き合いの方針が少し一般からズレている。また何かに没頭すると周りが見えなくなるタイプなのもそのズレに拍車をかけているといったところ。
つむぎの言う通り「良い子なんだな」というのがよく伝わってくる。良い人というより良い子。そんなイメージの少年です。
「魔術師"とか名乗ってくるくせに"なんで直接殴るんですか~!?」
身近な先輩に魔術師だと思われていない。かわいそう。
つむぎの新しい止まり木
10~12話でつむぎが所属する新ユニットとしてほんの少しだけ顔を見せていた「Switch」の面々。五奇人だった夏目と、英智の側近だったつむぎが組んでいるという"訳アリ"感の強い組み合わせが目を引くユニットです。
今回は、いよいよ彼らの体制やルーツも一部語られることとなりました。この項では、その部分についてしっかり見て行きます。
堅実すぎるつむぎと身軽な夏目
Switchのお披露目となるステージの照明をあんずに依頼することにした夏目。あんずちゃん、主人公補正で何でもできちまう!
過去の経験から「自分から人に何かを頼むのが苦手である」ことが強く語られたつむぎ。英智との一見もそれに拍車をかけたのかもしれません。
石橋を叩いて渡るというコトワザがありますが、それを揶揄する表現として「叩きすぎて壊す」という言い回しが用いられることが稀にあります。
つむぎは正にこの橋を叩きすぎて橋を壊してしまうタイプの少年でした。
その慎重さは良い表現をすれば堅実・賢明であり長所とも言える。しかし、それで行動できなくなってしまうとすれば、全体の足枷となる存在に反転。機能不全の役立たずと言ったところです。
そのつむぎの長所でもあり短所を、いささか人付き合いの方針が前のめりな夏目が理解していること。そして必要に応じて足踏みしている彼を差し置いて自らが行動に移せる"思いやり"があることで、Switchというユニットは成り立っていると感じられました。
現在ではまだ一切の情報がないもう1人のメンバー、春川宙がどのような経緯で加入し、このユニットでどのような役割を果たしているのかに思いを馳せながら、今回の彼らを追って行きましょう。
英智とつむぎの現在
つむぎはSwitchのお披露目ライブに際し、fineに参戦してもらうことを望みました。
これもつむぎが提案したものを、夏目が奇人としても個人としても旧知の仲であり、現fineのメンバーである渉に打診するという連携プレーで実現したようです。
しかし英智はそれを拒否。
まだまだ無名たる新ユニットのデビューな上、格式の低いB1に際し、fineという学院で最も権威のあるユニットが手を差し伸べる理由など、基本的にはありません。
「そんな義理はない」と一蹴する英智に対し、かつての盟友つむぎはここぞとばかりに食らいつきます。
旧fineのメンバーであり実質的な運営者であったつむぎの新しい門出を、現fineが祝福するのは当然のことである。だから自分達と一緒にステージに立ってほしいと、ある種脅迫めいた物言いで、つむぎは強く英智に詰め寄ったのです。
普通に捉えれば、つむぎは自分の新しい仲間達とのスタートをより良いものにするために、 英智に協力を申し入れたとみるべきだし、その気持ちも決してゼロではなかったと思います。
しかしつむぎは自分のために誰かに頼み事をすることが苦手であると直前の会話から判明しており、この状況下で英智に対して一方的な要求を引け目を感じずに突き付けられるのは不自然です。
以上のことから、僕はつむぎは"英智のためを思って"この提案を押し通そうとしたと解釈しました。
本心を語らず理解し合える関係
旧fineというユニットは「対外的には青葉つむぎを中心にしたユニットであった」と明言されており、ラストライブでも司会者からそのような紹介がされる描写がありました。
生徒会長を有するユニットではあったものの、アイドルとしての旧fineはあくまでつむぎ在りきの存在として学院生に受け入れられていたと仮定できます。
しかしながら、fineは再始動時には生徒会長 天祥院英智のユニットとなっており、つむぎはそのメンバーの1人に選ばれることさえありませんでした。これを不思議に思っている生徒ももちろんいたはずです。
その状況下でつむぎが新たにSwitchというユニットを立ち上げることになれば、自然と「2人の間に大きな諍いがあったのではないか」という見方が強まり、それは噂となって歪んだ形で学院中に広まってしまったことでしょう。
これは双方にとって絶対に避けたい状況です。
さらに言えば、つむぎはあの一件以降も「そもそも英智のことを悪く思っていない」ので、その結論は(少なくとも彼の中では)100%間違っています。
ですからつむぎは、fineとSwitchの合同ライブを最初に行うことで、決して2人がネガティブな理由から決別したわけではないことを、学院内にしっかり示しておきたかったのだと思います。それは自分たちのためでもありますが、敬愛した英智の今後を想ってのことでもあると僕は思いました。
DDDの敗北以降、生徒会の権威は前よりも陰りを見せたはずで、fineへの評価も一定の下落があったのは間違いありません。だからこそ、つむぎは英智の邪魔をしたくないとも思ったのかもしれません。
「もっとも、ただの引き立て役になるつもりもない」
それを英智がどこまで理解して"乗った"のかは定かではありませんが、引き受けたこと自体が何かしらの意図や想いを感じ取っての行動だと思います。
ですがそれはそれ。これはこれ。
アイドルとしてステージに立つ以上は、決して手を抜かず全力で勝ちに行く。それが夢ノ咲学院最強のユニットとしての矜持。
「君達のデビューが台無しになっても知らないよ」
その選択をした以上、fineと同じステージに立つことを選んだ以上、乗り越えなければならない試練は必然として生まれる。覚悟を持って挑んでこい。珍しく戦意を剥き出しにした英智の眼差しには、そんな強いメッセージが込められていたに見受けられました。
さぁ魔術の儀式を始めよう!孤独な独裁者が取り零した尊いものを拾い集めて、今度こそ世界中に愛の華を咲かせよう!
君は早く"何か"に気付いた方がいい。
補足
Q.夏目の「魔術の儀式を~」の台詞について
これ「やっぱそうだよな」と思った箇所なので先に回答します。この台詞、回想に登場するつむぎの台詞にかかっていたので「重要な台詞なのでは?」とは考えました。ただアニメの茶化し演出が元からかアニオリか判断できないため、あの形に落とし込みました。 pic.twitter.com/LZTNfHC8VN— はつ@ViEWsquad (@HatsuLog) 2019年10月21日
と言うのも、あの演出は「夏目はド真面目に良いことを言っている時にも"ああいう動き"をしてしまう子なので、結果周りに歪んで(茶化されて)受け取られてしまう」というキャラ性提示が狙いなのかなと思ったからです。だとしたら「彼は"何か"に気付かないといけないな」と感じて、突っ込みました。
— はつ@ViEWsquad (@HatsuLog) 2019年10月21日
ですのであの台詞をただの痛い面白台詞だとは、思ってないですね。仮に原作ファンにそう思われている台詞なら、物語的に突っ込みは正解だし、原作ファンが大事にしている台詞を「ああいう演出にしてしまう夏目ちゃん」がアニメなりの見せ方なら、その夏目に突っ込むのが正解かなと思って書きました。
— はつ@ViEWsquad (@HatsuLog) 2019年10月21日
エレメントの名残
「じゃあ次はかつて僕とfineを作った盟友、
青葉つむぎの新しい止まり木――Switch!」
仲間とのより強い繋がりを感じさせるfineのライブの後、やはり何かを察していると思える英智の紹介でSwitchのライブが始まります。
その演出に合わせて語られたのは、あの「エレメント」の後日談。
英智とつむぎ、夏目の関係性の発展。
それによって生まれた新ユニットSwitchの原型に至るお話が展開されました。
望まない結末を迎えた2人
恐らく契約書と思わしき書類を燃やし、英智との関係性を終わらせようとしていたところに現れたのは、渉に成果を受け取ってもらえなかったあの日の夏目。
「――これも一緒に燃やしてくれる?」
夏目が五奇人の幸せを願って奔走し作り上げるも、日の目を見ないまま終わってしまった可能性の遺物。そのノートをつむぎの契約書と一緒に焼却することを望んだのです。
この時の彼らは立場こそ違えど、「努力は正しく相手に伝わっていたはずなのに、望んだ結果を得られなかった」という点で境遇を同じくしていたのかもしれません。
その中身を知らないつむぎは、言われるがままにノートを焼却しようと腕を下げます。
彼には特に断る理由もなければ、躊躇う理由もない。だからこそつむぎの動きは夏目には酷く残酷に映ったはず。直前の言葉とはまるで逆の行動で彼を制止してしまうくらいには。
「…ねぇ、昔に戻りたいって思う?」
今の結末が互いにとって望んだものではないのなら、ここに書かれた可能性は自分達を幸せに導くものかもしれない。それを誰かに託して、自分達は草葉の陰に隠れて復活を待つ。そんな選択もあるだろうと、夏目はつむぎに投げかけるのです。
「思いませんね。戻りたいなんて」
しかしつむぎは夏目の言葉に心を動かされることなく、何事もなかったかのようにそのノートを火に投げ込みます。
「やり直したって、もっといい結果になんてなりっこないんです」
英智は最小限の犠牲で革命を成し遂げた。
その結果が全てであり、やり直したところでこれ以上の結果になるなんてことはない。
それがつむぎの革命に対する評価でした。
ただ、その犠牲の中に自分が含まれてしまっていただけ。
多くの人にとって重要なことでも、つむぎにとってそれは「優先すべき事柄ではない」し、それ以上を望むこともできなかった。
「まぁ…取り零したものも多いんですけど…」
幸せを重んじるつむぎは、fineの革命の陰で犠牲となった者の不幸が見えていなかった、見ないようにしていたと思います。でも自分が切り捨てられる側に立ったことで、彼らの不幸にも目を向けられるようになったのでしょう。
だとしたら、自分ができることは過去を顧みることではなく、未来を見て自分のしてきたことの贖罪をすること。前を進む英智が振り返れない人々に手を差し伸べて回ることこそ必要だと彼は考えた。
「――君はどうするんですか?」
100%の善意が動かしたもの
まずは目の前にいる、自分と境遇を同じくする友人に手を。それがつむぎの取った行動でした。
五奇人はバラバラになり、路頭に迷ってしまったのなら、迷った者同士で未来を紡いで行くのも決して悪くない選択であると、つむぎは夏目に提案します。
それは状況と立場を考えたら酷く残酷で、ありえない発言です。体裁上fineを運営していたつむぎは、最も奇人達から忌み嫌われる相手と言っても過言ではない。
無神経かつ非常識と言い切れる発言を屈託のない笑顔で繰り出すつむぎは、視聴者から見ても十分に異様であるし、当事者である夏目はそれ以上のものを感じていたに違いありません。
「でも…何もしないで目を背けるよりは、ずっと良いでしょう?」
憔悴し切った夏目は、その言葉からつむぎの善性を感じ取ったのか、異常さを痛感したのか、はたまたそのどちらでもあったのか。
少なくともつむぎは、これからその理不尽と独善によって彩られた茨の道を進み続ける覚悟でいる。それが夏目には伝わったのだと思います。
そんな彼の姿を見て、夏目は「一緒に行動してみても良い」と思ったとも「放ってはおけない」と思ったとも取れる反応を見せました。彼の人の良さがここにも出てしまっています。
「ありがとう…なんて意地でも言わないけどね」
※もう言ってるのと同じです。
孤独に苛まれていた夏目にとって、100%善意から手を差し伸べてくれる存在は、無条件で頼ってしまいたい相手でもあったと思います。でも決してその見る目が間違っていたわけではありません。
こうして夏目はつむぎと活動を共にすることを決意。
奇しくもそのまっすぐな正義感と理不尽によって、つむぎはfineが滅ぼした奇人の1人という、自身の罪滅ぼしに強い説得力を付与してくれる仲間と繋がることができたのです。
彼らSwitchの新しい戦いが、ここから始まった。
挫折を知った彼らだからこそできるライブで、周りをキラキラさせてほしいです。
アイドル達の願いを叶える企画
一度は革命の犠牲になりながらも、再び立ち上がったつむぎと夏目。
その2人の過去のことをまだ知らないながらも、大いなる挫折を経験した2人から滲み出るパワーのようなものを、あんずは一緒にステージを創ることで感じ取ることができたのでしょう。
彼女はこの一連の経験と同様に挫折から立ち上がった経験を持つRa*bitsの意見を参考し、新たなドリフェスの企画を立ち上げました。
その名称は「七夕祭」。
サイリウムの代わりに短冊を使用するという斬新な要素を取り入れたものの、表面的な部分だけ見れば季節イベントに順ずるオーソドックスな提案。
しかし、彼女の本当の狙いはそこではありません。
このドリフェスの最もインパクトのある点は「敗れたユニットがやる気次第で何度でもステージに上がることができる」敗者復活ともいえるシステムの導入でした。
納得できない演技をしてしまった、思っていたよりも優れた演技をするユニットが出てきたなど、涙を飲んだ人達がその場で挽回を果たすことができる。
誰もが納得した上で頂点を決められるというアイドル達の願いを叶えるドリフェスは、運営の都合ではなく彼らの精神に寄り添ったからこそ出てきた企画です。
「なるほど、これが君の"革命"というところかな」
「そんな大それたことじゃ…」
一度は諦めた者が、もう一度立ち上がることの尊さ。それをSwitchのライブから一身に受けた彼女は、ただ皆が思い残すことなく頑張れるフィールドを用意したかっただけ。
学院のアイドル達を少し遠くから見守り続けている彼女ならではの、優しい企画案がそこにありました。
「"あんずちゃん"。この企画書…承認しよう」
初めて英智から名前で呼ばれたのはこのシーン。
そのプロデューサーとして皆に真剣に寄り添った彼女の心が、英智からも認められたということでしょう。
かくして始まる転校生主導の物語。
それが果たしてどのような結末を迎えるのか。次回に期待します。
おわりに
13話で2クール目からの変化点を確実に示したあと、2話かけて行われる学院の大きな変化点。
14話は過去の話を交えながら、その前半を組み立てて行く重要な1回となっていました。次回の動きが、このアニメの2クール目を楽しんでいく方向性を確定して行くと思われます。
2クール目からの『あんスタ』は1クール目よりもわくわくして見れています。要素の積み重ねがどんどん良い形に発展して行く雰囲気を感じていて、見ていて「何が起こるんだろう」という期待感情も大きくなっている実感があります。
まずは次回15話、初めて自分の意志100%で活躍する転校生あんずちゃんの見せるアンサンブルの行き着く先を見届けたいと思います。
次回の感想でまたお会いできれば幸いです。
お読み頂きありがとうございました。
不穏
「待ってぇお師さん…」
Valkyrieの2人は夢ノ咲学院を離れ、どこかのライブハウスで仁兎を除いた2人で活動中。
OPやEDの情報から2人のユニットになってしまうことは分かっていましたが、学院を離れてライブを続けることを選んでいるのには驚き。
しかしあの状態でValkyrieが復活したとて彼らに向けられる目線の厳しさは想像に難くなく、実質的にここに「追い出された」と言っても良い立場なのは明らか。そして彼らの耳にTrickstarの革命の報が届いているかも怪しい始末です。
斎宮がライブハウスでも客との交流を避けていることから、学院での「熱烈なファンほど冷めた時に簡単に掌を返す」という経験に、相当なトラウマを抱えてしまっていると考えられます。強がってはいるものの、精神的には非常に脆い少年です。
2人の関係性に大きな変化は感じられず、影片が斎宮を見る目も「マリオネット」の頃と相違ないように思います。ただ立ち込める空気感が、酷く暗く重いものに変質してしまっている。
今回は元メンバーである仁兎率いるRa*bitsの和気あいあいとした姿がフィーチャーされたことも相まって、対比的に見ても息苦しさを感じてしまいます。
「…やぁ、久しぶりだね」
そんな2人の前に現れたのはValkyrieを破壊した張本人、天祥院英智。ここに来られたということは、Valkyrieの現在の活動についても聞き及んでいるということでしょうか。
あの日から変わらないものもあるにせよ、大局的には変わったものばかりな人間関係と学院の事情。それを抱えて再び相見える彼ら3人。そしてその先にあるのは、"一度は諦めた者がもう一度立ち上がる"ためのステージ、七夕祭。
彼らの未来の行き着く先は果たして…。
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