29番目の記事は「暗躍!月影の風雲絵巻」です。
現代軸のイベントストーリーは4記事ぶりですね。
実は今回は執筆リクエストが来ていなかったイベントでもあり(来なくても書くと宣言したので来なくなった説もある)、久々に事前印象が全くない完全フラットな状態で読み進めることになりました。
もちろん、リクの有無で重要度を計っているわけではありません。最初はリクエストがない=重要ではないのかも?という認識だったのですが、そんな尺度はとっくの昔に吹き飛んでいます。読むまで分からないし、読んだらだいたい重要ですから。
特に今回は忍者がモチーフかつ、仙石忍くんが表題になっているのが注目ポイント。「そろそろ活躍が見たい」と何度か感想にも書き添えてきた彼が主役になるのが明白で、ニコニコしながらページをめくることになりました。
忍くんをはじめ登場キャラの新しい一面がたくさん見られた、愉快な忍者の物語。その内容を紐解きます。
目次
異なる表現 共通する意識
「暗躍!月影の風雲絵巻」で活躍したのは流星隊と紅月。
どちらもそれなりの数の物語を見てきたユニットではあるのですが、流星隊と紅月が密に絡むイベントは(部活関係を除くと)記憶にありません。
「スカウト」など含めてもほぼ会話がなかったキャラの組み合わせも多く、「そう言えばこの2人が会話しているところはほとんど見たことがなかったな」と感じるところが多かった印象。
少しずつ既知の関係性の"発展"を見る機会も多くなりましたが、未知の関係性もまだまだ無数にあると改めて思わされた次第です。
そんな新鮮味たっぷりのこのストーリーで特筆しておきたいのは、テーマの軸となっていたであろう「旧きものと新しきものの関係性」についてでしょう。
伝統文化を重んじる紅月に対し、現代エンタメの到達点の1つとも言える特撮をモチーフにした流星隊。表面的な印象ではあまり相性が良さそうとは言えず、それは本人たちの中でもある程度意識されていたことと思います。
無理に避けていたわけではないが、特別一緒にやりたいほど近しい性質のユニットでもない。そのような関係の中で、あえて一緒にやりたいと感じたのが今回の忍者関連の仕事だったというイメージです。
ですが実際は、彼らの根底には「情熱的」という共通点があります。それは両方のユニットに関係性を持つ鉄虎が、成長の中で提示してくれていたことで。意外と似た者同士な部分もあるユニットなんですよね。
旧きを学び、新しきを知る
特撮ヒーローものは常に時代の潮流に乗った新しさが求められますが、「テーマ」や「要素」には子どもを惹きつけるキャッチーさ(説得力)を必要とします。そのヒントは得てして、長い年月を積み重ねてきた文化などに隠されているものです。
そして特撮ヒーロー自体も歴史が長いですから、古いものから学んで発展させる努力は嫌が応にも必要な時代になっています(※劇中で千秋が口にした「カ*レンジャー」は、幼児はつが初めてリアタイした戦隊ものです)
実は温故知新こそが特撮ヒーローものには欠かせない観念。
紅月が伝統文化をパフォーマンスに取り入れるのと近しいことを、流星隊も日々の鍛錬で行っているというわけです。
一方で紅月も、旧いものに固執するようなマインドを持ってはいません。伝統文化を重んじてはいるものの、彼らもまたそれをアイドル活動に活かす存在です。そしてアイドルを応援する者の多くは、物事の良さを頭で理解することより、感覚的な楽しさを求めています。
より分かりやすく伝わりやすい形にしなければ、紅月のステージは"アイドルとしては"独りよがりなものになってしまうでしょう。
そこのバランスを見極めて柔軟に対応する力があるからこそ、彼らは夢ノ咲学院の実力派でいられるのだと思います。
だから紅月は紅月で、新しいエンターテインメントの形に決して否定的ではないのです。むしろ自分たちの礼節と対極にあるものにほど学びがある。そう考えて多くを許容できる、大らかさを持ち合わせているユニットであることが「風雲絵巻」では伝わってきました。
旧いものには旧いものの良さがあり、そこから学ばなければならないことはたくさんあります。しかし旧い人間は自分たちの活動を「文化」や「学問」など高尚なものと捉え、新しいエンタメを俗物扱いして否定する。そんなケースが後を絶ちません。
しかし実際はその旧いものだって、昔は新しいもの扱いされていたのには違いなく。今では宝物とされるものでも、価値のない遊びだと揶揄され貶められていた過去が存在していたりもするのです。
だからこそ旧きを学ぶということは、新しいものを否定せずに許容して共に歩んでいくことである。新しきを知ることは、旧きものを否定せずに受容して共に前を拓いていくことである。
そんなウィットに富んだメッセージがこの物語には込められていると感じました。
紅月と流星隊。2つの異なる可能性は互いの信念を高め合うことで、普段の彼らのライブでは全く見られない魅力を引き出し合いました。
いがみ合い、遠ざけ合っていることの多い2つの価値観が、正しい形で交わればこんなにも強い光を放つことができる。そんな文化とエンタメの間にある溝を埋めようとする希望の物語。「暗躍!月影の風雲絵巻」は、そんな力強さを感じさせてくれるストーリーでした。
今回活躍したキャラクター達
では今回も彼らの活躍を1人ずつ。
キャラが活き活きとしている温かいお話でしたから、なるべく登場キャラ全員について丁寧に書いて行きましょう。
守沢千秋
もはやただの一直線男という印象は全くないのですが、今回は上手いこと弁を弄して紅月と夢ノ咲学院の体制を利用しようと迅速に行動。今まで以上のしたたかさを発揮していたと思います。
イベント関係への根回しは持ち前の機転と実行力が光りますし、お金周りの気回しも思っていた以上にしっかり考えている印象。「スーパーノヴァ」などで裏で奔走する姿が描かれていたこともあり、今後は頭のキレる一面が見られるシーンも多くなりそうです。
また『あんスタ』では珍しく、めちゃくちゃ恋愛の話をしたがる…と言うかめちゃくちゃ恋愛の話に繋げたがるところがありますよね。前々から感じてはいたのですが、今回でそれがより明確になった形です。普段は特撮以外に何を見ているんだ?
やたらあんずと後輩が良い感じになることを不安視しており、それも何目線で何に悩んでいるのかがイマイチ釈然としない辺りが面白男。別に年頃の高校生としては普通なのだが、普通じゃない人ばかりのこの作品で普通の悩みをぶつけられるとこっちも困ってしまう。
彼は過去に色々抱えているのは間違いないですし、これも何かの伏線だったりするのだろうか。また1つ守沢千秋のことを知ることができた…気がする。
深海奏汰
蓮巳と何か因縁らしきものを感じさせる。
実は奏汰は今のところ、奇人でありながら英智の革命時に何をしていたのかが全く分かっていないキャラクター。断片的な細かい情報は一応あるものの、当時の関係性(奇人外)が感じられるやり取りは初めてかもしれません。
奏汰の「あなたの『いうこと』は、ききません。もう、にどと……」という棘のある言い方に対し、蓮巳が敵対の意思を全く見せなかったことがポイントになってくるのかなと。ごく短い一瞬のやり取りでしたが、今までよりは何かを考えるヒントは得られたような気がします。
また部活動ではかなり厳しい先輩らしく、今回は「もしかして恐い人なんじゃ?」と思わせる描写が色々と盛り込まれていました。ただまぁ部活で恐いのは、海洋生物のことになるとマジになりすぎるだけ?な気もしていて、アイドル活動と関係があるのかは微妙かな…と。
南雲鉄虎
大将との関係性の変化をより強く感じられるようになった鉄虎くん。彼らの関係は今までの話でも掘り下げられてきていることもあり、今回は発展というよりは補完のイメージが強いです。
前述の通り流星隊と紅月の共通点を感じ取っているメンバーの1人。過去に展開されたエピソードも相まって、読者側が物語の展開をスッと受け止められる基盤を作ってくれました。
目立った活躍があったわけではないですが、存在感はあったという感じ。鉄虎は1年目でかなり登場機会に恵まれていましたから、そこで既に発展したキャラクター性を活かして補佐に回っている印象はありますね。
高峯翠
ゆるキャラとイラスト繋がりで蓮巳敬人とめちゃくちゃ仲良くなる(?)ことに成功した1年生。棚から牡丹餅と言うか塞翁が馬と言うか。
全体的に見ればあまり目立った方ではないですが、「先入観で遠ざけてはいけない」とか「話してみるまで意外と分からないものである」とか、「風雲絵巻」の全体テーマに関わる動きをしてくれています。
今回のストーリーは全体的に和やかで穏やかでニコニコできる話の中で、特に交流のギャップが感じられたのが蓮巳と翠の2人な印象で。それもあって、彼らのやり取りがこの物語で一番印象に残っていると言う人も多いような気がします。
翠は普段ネガティブですから、(ゆるキャラの話題であんずと盛り上がっている以外は)あまり楽しそうにしているところが見られてないんですよね。そういう意味でも、この2人の交流は特別感があったよなぁと感じています。
蓮巳敬人
「忍者と恐竜が嫌いな男子はおらん」
主語がデカすぎるぞ。僕もそう思います。
なんかよく分からないがこの人1年生にめちゃくちゃ優しい。あまりに優しいからおかしくなってしまったのかと一瞬戸惑ってしまうレベル。
しかし考えてみると、蓮巳が直系の関係を持たない1年生と会話するシーンはほとんどありませんでした。今回初絡みだった関係も蓮巳を中心としたものが多く、この「風雲絵巻」は(この時点では)非常にレアなやり取りが見られたイベントだったと言えるでしょう。
確かに部活の後輩である司には心なし優しさがあるなとは思っていたのですが、基本的に年下にはストレートに優しいんだなと今回で分からされました。
英智との関係性を見ても、蓮巳の根底にあるのは「他者への思いやり」なのは間違いありません。その思いやりが何のしがらみもない形で表出されると、こういうタイプの人間になることがハッキリした感じです。
彼は夢ノ咲学院では多くの"立場"を持っていますし、どうしてもそれを意識したやり取りを他人とせざるを得ないところがあります。そのせいで、素の彼が見えるシーンが少ないと言われれば確かにそうなんですよね。
だからこそ今回のような物語は、蓮巳敬人を知る上で大事にしてあげたいところ。誤解…と言うほどではないのかもしれませんが、そういう本質的なところをちゃんと見てあげたいと思うので。
鬼龍紅郎
今回はサポート役に徹した大将(登場も遅かった気がする)見た目と雰囲気で目立つことが多い人と錯覚しがちですが、多人数が集合した時はサポート役の方が似合っていると思っています。真の漢は背中で語るという感じ。
とは言え、鉄虎をどう導いていくかの過渡期が描写されているのはポイントです。これは蓮巳と神崎についてもそうであり、「風雲絵巻」はそれぞれの先輩後輩関係の差を感じられるストーリーでもありました。
今回はそれが話の軸には関わっていないとは言え、彼らの関係性の到達点や心情変化を感じ取る上では、今後のために押さえておきたい台詞ばかりでしょう。
個人行動でB1を荒らし回っていたという情報も頭の片隅に留めておきます。これは他のストーリーに関わる何かしらの伏線だと思いますので。
神崎颯馬
メインキャラである仙石忍と意気投合した、「風雲絵巻」2人目のメインキャラという印象。神崎は2016年度からキャラの掘り下げが入念に行われるようになり、ここ最近で拡がったキャラクター性がたくさんあります。
今回は料理や日本の伝統芸能も手習いしていることが分かり、より家柄を感じられる存在に。馬に乗って馳せ参じるところなど、世界観が突き抜けている。彼が武士をロールしている人ではなく、本当に武家の家柄であることがより強く伝わってくるようになりました。
相応にアイドルという現世のエンタメの世界に身を投じることは、やはり周りから反対を受けているようです。それを押し切ってでも自分から「アイドルになりたい」と思った理由が彼にもあるということで、その辺りの掘り下げが行われるストーリーにも期待が高まります。
神崎の旧き世界にいながら新しいものに傾倒していく姿からは、1つの多様性を感じるというものです。そしてそれは、忍と友好的な関係を持てたことにも繋がっているように思います。
本来であれば彼のような真正の人間は、忍のような似非者を忌避することが多いはず。忍がどれだけ忍道を突き詰めようと、それは彼の理想という不純物が混じった形にしかなり得ないからです。
「旧きを知る者」は、そういったものを「間違った形」だとして唾棄します。ですが神崎はそうはならず、忍の憧れる忍者の形を認めて自分の中へと進んで取り入れようとしています。
神崎もまた伝統の王道から外れる者(アイドルを志す者)として、忍の在り方にも何か共感できるものがあるのかもしれません。
忍と神崎。スタート地点は完全なる真逆と言えますが、目指す地点はきっと同じところにあるのでしょう。
彼らが求める旧きと新しきの融合が、どのような形で事を成して行くのか。今後の彼らの関係は、そこに注目して見て行ってあげたいですね。
あんず
今回は忍との距離感の計り方を見誤ったことに落ち込む姿が見られました。夏から秋頃にかけて少しネガティブになっている?ような?(※どうも彼女については派生作品の情報も踏まえないと正しい予想ができない?ようなのですが、とりあえずはこの時点の『あんスタ』の範囲で感じられることを書いて行こうと思います)
『あんスタ』のキャラは表面的な魅力(記号的なもの)に統一性があり、1年生は全体的に可愛い(可愛がれる)キャラクターとされています。ただ、彼らの魅力が"可愛い"であるからと言って、本人が可愛いと思われたいと思っているかは別というのも1つの真理です。
自分の可愛さを売りにしている者もいれば、そこから脱却しようとしている者もいると思います。プロデューサーである以上は彼らが持つ長所を伸ばす付き合い方が1番ですが、それと同じくらい本人の意思を正確に理解して取り入れることも重要です。
今回のあんずは、それを画一的に捉えて忍に怒られてしまったことにショックを受けているという印象。忍にそう言われたことではなく、あくまでそう言わせてしまった自分に対してショックを受けているイメージです。
しかし神崎に言われている通り、その失敗は彼女をより優れたプロデューサーへと進化させるキッカケになり得ます。特にこういった感覚的なことは、それを「失敗」だと認識できるかどうかが既に1つの分かれ目。彼女はそれができている時点で、プロデューサーとしての才覚を持っていると言えるでしょう。
彼女も最初から優れてたわけではなく、色々な経験を経て誰もが認める敏腕プロデューサーになっていく。そのための大事な1シーンを見せてくれたと思います。
仙石忍の生き方
最後に語っていくのは、もちろん今回の主役である仙石忍くんです。
なかなか個性を出す機会に恵まれなかった彼ですが、正に「おあつらえ向き」と言う他ない当番イベントを得ての大活躍を果たします。
彼が忍者になることを志した理由。それは自身が持つパーソナリティに言い訳するためでした。
「ぼっちで」「暗くて」「カエル好き」という周りからどうしても距離を置かれてしまう個性を持っていた忍は、いつしか自分のことを同じ個性を持つカッコいい存在――忍者だと考えるようになりました。
自分がこうなのは忍者だから仕方がない。そうやって自分に言い聞かせて心を保つ過程で、彼は本当に忍者のことが好きになりました。そしてそのまま、本当に忍者になりたいと思うようになったのです。
ですが忍者になろうと努力し、自分を忍者だと自称することを周りが受け入れてくれるでしょうか。"普通"に生きる人たちは、そう言い出した彼を見て余計に気味の悪い奴だと思う可能性の方が高いでしょう。
そして忍を案じる周りはそんな彼を見てこう言います。「そんなことはもうやめなさい」「もっと役に立つことをしなさい」と。彼を心配するからこそ、"変な道"に進まないよう全力でそこから彼を"救い出そう"とするはずです。
けれど忍にとってはそうではない。それは彼が本当にやりたいことで、そう生きると決めたことで。弱くて情けない自分から脱却するために、彼が自分で考え、選び、行動に移したことです。
その苦悩を知らない人間が、"普通"の考えで彼を抑圧しようとすることが果たして正しいことなのか。一般的に見た正しさが、彼の人生に本当に良い影響を与えるのか。周りはそこまでのことを考えて彼に助言しているわけはないでしょう。そうであれば、もっと声のかけ方は変わるはずだからです。
そんな窮屈な思いを強いられる環境の中で、彼は夢ノ咲学院で流星隊に出会いました。そこでは彼の「好き」と「在り方」を認めてくれるたくさんの人が、彼を受け入れる準備をして待っていてくれたのです。
「ぼく」から「拙者」へ
忍は流星隊の1年生の中で、唯一「最初から流星隊のことが好き」で「流星隊に入りたくて入った」印象のメンバーでした。
それは長らく疑問に思っていた点でしたし、まずそれを知らなければ彼のことを理解してあげることはできないと思っていて。この「風雲絵巻」で彼の話を聞いて、ようやくその理由に辿り着くことができました。
「みんなちがって、みんないい」
周りの言っていることが正しいからと言って、自分が間違っていることには決してならない。
それを教えてくれた流星隊の仲間たちのことが忍は大好きで、皆のために頑張りたいと考える健気な少年でした。だから周りが抱えている苦悩を誰よりも知ってフォローしてあげたいと今まで考えてきたし、今後もきっとそれを続けていくのでしょう。
皆が皆、異なった苦悩を抱えていて、それは必ずしも自分が解決できることとは限らない。でもできることがあるならしてあげたい。
何故なら、彼らは自分のことを自然に受け入れてくれているから。本人たちに特別な気は無くても、仲間たちは自分の「好き」な自分でいることを当たり前に受け入れてくれているから。
(隊長殿! 深海殿! 鉄虎くん! 翠くん! 拙者はずっと、そこにいるのにいないみたいだった!)
それは"普通"ならきっとあり得ないこと。だからもう、仙石忍にとってはそれが既にとても嬉しくてありがたいことで。
(いてもいなくても、どっちでもいい子だった!)
その分の感謝を、仲間たちにも返したい。
そう考えている優しい少年だと僕は解釈しました。
(でも、今は違う! 五人揃って『流星隊』! 拙者も、ここで生きていく!)
仲間への想いを心の内で高らかに叫び、仙石忍は燃え盛る火の中を飛び抜けます。
忍法『火の輪くぐり』。周りから「そんなこと」と「役に立たない」と言われたその技術をしっかりと使い切り、彼にしかできない演技を持って見る者を魅了したのです。
(あぁ、愉快痛快でござる!)
流星隊の仙石忍は、理想の忍者を目指す者。
他の誰もに追いかけられない道を行き、彼にしかできない人生を体現します。
挑戦なき者に成功は訪れない。王道を行くものに破道は決して語れない。まだ見ぬ未来の果てで平成に生きた忍者の伝説を作るとしたら、それは彼のような存在に他ならない。
(こんなものが、人生で役に立つ瞬間があろうとは! お釈迦さまでも思うまいっ、あっははははは……☆)
「ぼく」から「拙者」になった少年は、今日も自信満々に大衆へと笑顔の輝きを放ちます。苦悩の先にある自身の成功を、過去の自分に届けるかのように。目の前に拡がる希望に、胸を高鳴らせるかのように。
おわりに
「暗躍!月影の風雲絵巻」はとにかく心温まる物語が魅力的なストーリーでした。
思い返せばここのところ重々しかったり、解釈が難しい話が続いてたような気がしていて(※『あんスタ』のみの感想執筆中での話)どこか穏やかな空気で進行した「風雲絵巻」は、「イベントストーリー」の中での癒しポイントのような感覚がありました。
全体を通して仙石忍というキャラの優しさが発揮されていたような気がして、何だかとても温かい気持ちになりました。
陰鬱とした物語、殺伐とした人間関係(のその先)が『あんスタ』の真骨頂ではありますが、こういうのもとても良いですね。端々に作家性を感じさせるメッセージが込められていたのも良かったです。
さて次回は「リアクト★マジカルハロウィン」です。2016年も終盤戦に差し掛かり、また濃い話も増えて行きそうですね。
最近色々と立て込んでいて更新が遅れ気味で申し訳ないですが、書き切るという気持ちは変わっておりません。何卒お付き合い頂ければ幸いです。それではまた。
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