1話からハイテンション、ハイスピードな展開を見せてくれた『MIU404』。
刑事部・機動捜査隊を舞台にしたドラマらしい豪快さの中に、どこか人間の心を揺るがす情緒性がある。そんな空気感からこのドラマは始まりました。
第2話「切なる願い」は、1話から打って変わって縹緲としたサブタイトルに。
どのように心を打つ物語が描かれるのか、期待を高めて待っていた方も多かったのではないでしょうか。
その期待に応えるように展開された人間関係は、あまりにも緻密すぎるものなのでした。それでは第2話の内容を紐解いて参りましょう。
目次
物語のはじまり
殺害されたある企業の専務。逃亡する犯人。
その容疑者となった青年は、老夫婦を人質に取り運転させ、目的地まで移動しようとしていました。
偶然にもその車の隣りに居合わせた志摩と伊吹。薄い情報だけで「容疑者が乗ってる」と決めつけた伊吹に疑心暗鬼になりながらも、志摩はその車を追跡することを決定します。
他人も自分も信じない。誰も信用しないからこそ可能性がゼロになるまで確認する。それが志摩のスタンスでした。
ただその発端には、前回よりは伊吹の「野生の勘」を買っている姿が垣間見えます。客観的には伊吹のことを信用していると言っても良い状況。志摩からすれば、信用できなくても1話で彼の勘が上げた"実績"を無下にはできないというところでしょうか。
その彼の選択によって、数奇な運命を辿る彼らの逃亡劇と追跡劇が幕を開けました。
"夫婦"と"息子"の出会い
人質に取られた初老の夫婦 田辺夫妻と興奮する容疑者 加々見崇。
用事の途中で加々見の目に留まってしまった田辺夫妻は、最初は加々見の存在に怯えながらも、徐々に彼の様子が妙であることに気付きます。
加々見の存在を警察にバラしたら殺される。そう考えて、夫妻は咄嗟に自分たちの身を守るために嘘をつきました。それは彼を息子だということにして匿う、年齢を考えれば最もありきたりな嘘でした。しかしその嘘によって、3人の感情に変化が訪れることになったのです。
実は田辺夫妻の息子は13年前に亡くなっていたことが明かされます。事件当日はその13回忌。お墓参りに行く途中で彼らは拉致されてしまいます。
そんな状況のせいもあり、父親は加々見が車に乗っていることについて「息子がもし生きていたら」を想像して嘘をつきました。それはきっと夫妻にとっての夢でもあり、決して実現しないはずのやり取りに違いありません。
内容は嘘でも、そこに込められた感情は本物です。
だから場慣れしているはずの警察官も、その物言いから嘘を感じ取ることができなかったのでしょう。
それは嘘と言うにはあまりにも悲しく陰鬱なもので、興奮していた加々見の心をも少しずつ解きほぐして行きました。
「本当に…人を殺したの?」
どことなく息子の面影と被る加々見の姿に、母親は一縷の希望を持ってそう聞きます。加々見はその問いに首を横に振り、自分は無実であると静かに主張して返します。
加々見は会社で一生懸命働いていただけ。ただ仕事の回らなさに見向きもしない専務に意見を言いに行っただけ。その後、その専務は何者かに殺されて、自分はその罪を着せられようとしている。
物憂げな顔で恐怖に怯える彼の姿には、相応の説得力がありました。
「…信じる。私は君を信じる」
「…私も」
夫妻はその加々見の姿を、言い分を、気持ちを否定しませんでした。拉致監禁されて自分たちの命を奪おうとさえした相手のことを、感情のみで信用することを選んだのです。
交錯する過去 それぞれの事情
この状況に至るまで、加々見の過去には様々な事情が隠されていました。
その裏には、毒親から逃げて無一文で路頭に迷っていた自分を救ってくれたという、友人の影がありました。彼のおかげで加々見は今の仕事にも就くことができました。「ようやく人並みの人生を送れるようになった」と嬉しそうに語ります。
しかしその恩人である友人が会社をクビに。
加賀美はそれを決めた専務に、勇気を持って直談判することに決めたのです。
その想いは届かずに友人は専務を殺害。加々見はその濡れ衣を着せられて、自らの汚名を晴らすために彼の元へ向かいます。そして冤罪を恐れるあまり、法を犯す最悪の逃走手段を選んでしまった、というわけです。
状況を鑑みて、田辺夫妻は彼を信じて今の状況をそのように解釈。加々見はその夫妻の言葉を無言で肯定し、加々見と友人の地元である山梨県を目指します。
一方の志摩と伊吹は逃走中の車の会話の盗聴に成功。容疑者が乗っていることを完全に断定するも、車内での会話の内容から彼らの意見も割れて行きます。
あくまでも容疑者であると冷静に断じる志摩と、加々見は無実かもしれないと感覚的に信用する伊吹。しかしながら、考え方を違えつつも「夫妻を傷付けないままに加々見を確保する」という共通の目的は変わりません。サービスエリアに駐車した3人の車を追って、彼らも車から降車しました。
トイレ休憩を挟む田辺夫妻は、凶器を持った加々見と一緒でももう動揺さえしていません。異様な光景と言って良いでしょう。
「そうだ、飯食おう3人で!」
「…は?」
晴れ渡った空に映える富士山を見て、息子と3人でここに来たことを思い出した夫妻。あろうことか加々見を昼食に誘います。これには逆に加々見の方が動揺してしまう始末です。
「心配するな。君に最後まで付き合うよ」
まるで息子と過ごせなかった時間の穴を埋めるように。あるはずのない息子の幻影を加々見に重ねて。今この時、自分たちに与えられた時間を大切に思っているかのように、夫妻は笑いました。
相手を信じること
「俺たちのこと、変な夫婦だと思ってんだろ?」
トイレを済ませた父親は、笑顔でそう言いながら加々見と向き合いました。
「僕は貴方たちの息子じゃないんですよ?」
今までの話の流れとこの状況。加々見も自分が夫妻にどう見られているかに気付かないわけがありません。堪え切れずに、その疑問を口にします。
「…俺たちは、あの子を信じてやれなかった」
「…?」
田辺夫妻の息子は13年前に自殺していました。
学校で起きた不祥事の濡れ衣を着せられて、誰からも擁護されることがなかったのが原因でした。
反抗期で言うことを聞かなかったこともあり、両親でさえ「息子がやったに違いない」と決めつけた。無理矢理に頭を下げさせ、何の話も聞かずに事件を収めようとしてしまいました。
自殺してから彼が犯人でないことが分かりました。
けれど、どうして自殺してしまったのかは誰にも分かりません。
誰も彼の話を聞かなかったから。誰も彼を信用しなかったから。誰も彼の味方をしなかったから。誰も彼に寄り添わなかったから。そのせいで誰にも彼の本当の心が分からないままに、1つの人生は終わりを迎えたのです。
彼が亡くなる前に何を思ったのか。想像は幾らでもできます。そして想像できるが故に、遺された両親は無限に彼の可能性を考え付いてしまう。両親を恨んでいたのかもしれないし、そうでなかったのかもしれない。周りへの当てつけだったのかもしれないし、全てに絶望したのかもしれない。
「もしも戻って…あの時に戻れるなら…俺はお前を信じる」
そうやって想起される可能性の1つ1つが、時を追うごとに純度を増して両親の心を締め付けている。死ぬまで一生、彼らはその呪縛に囚われ続けたまま生きて行かなければなりません。
「誰が何と言おうと…信じる。あの子に言ってやりたかった」
その言葉を向けられた加々見は、一体何を思ったことでしょうか。息子の幻影を重ねて自分を見る父と母に、どんな感情を抱いていたのか。我々には分かりません。
「…はい、ストップ」
話を外で聞いていた伊吹は居ても立っても居られなくなり、涙を目に浮かべたまま加々見の確保に向かいます。
「加々見…ちゃんと話聞く。大人しく出頭しろ。…な?」
彼もまた加々見の無実を信じる1人の人間だったから。無実を証明して、田辺夫妻の想いに応えてほしかったから。
その気持ちがこの時の伊吹の原動力となっていた。そのように思いました。
人は信じたいものを信じる
「行けぇ!無実を証明しろ!」
伊吹は加々見を確保することはできませんでした。田辺夫妻が彼らの行動を妨害し、逃走を促してしまったからです。しかしそれは犯人認否で罪に問われるかもしれない行為。志摩はその事実を突きつけて、夫妻の行いを糾弾します。
沈黙する夫妻の姿を横目に、程なくして志摩に電話が入ります。それは加々見の友人の所在を突き止めたというものでした。
これで彼が自主すれば加々見の無実は証明される。あとは彼を探し出して確保、事情を説明すればここにいる全ての人間の想いが成就する。そのはずでした。
しかし件の友人は山梨にはいませんでした。
東京で女の家に入り浸り、事件のことなど露知らず。彼は全く事件に関係のない人間であることが証明されてしまったのです。とすれば、残っている大きな可能性はもう1つしかありません。
その事実を聞いた時、驚愕する志摩の姿がありました。何だかんだ言いつつも、志摩も加々見が無実である可能性を考えていた。そういうことなのでしょう。
ですが、その場にいる志摩以外の全員がその事実を否定します。そうであってほしいと願っていたから、違う現実を受け入れたくない。他の可能性が残っているんじゃないのかと疑いたくなる。そう思うのが人間です。
「"俺はやってない"。犯人がそう言う時は多くは誤魔化す時。捕まりたくないから」
実際、加々見は「自分はやっていない」とも「友人が殺した」とも一言も言っていませんでした。ただその場に居合わせた人間が、勝手に彼の感情を慮っただけです。
「だけどもう1つ…。"犯人自身がやっていないと思いたい"。自分のやってしまったことを認めたくないんです」
そしてそれは誰よりも、加々見自身がそう感じていたこと。
自分はこんなことをしたかったわけじゃない。ただ身の回りの状況を良くしたいと思って、動いて。それが何故かこのようなことになってしまった。
「できることなら、罪を犯す前に戻りたい。無かったことにしたい」
そう本心で思っていたから、彼は人を殺しているようには見えなかった。その姿と態度があったからこそ、田辺夫妻は彼の無実を信じられました。
「でも時は戻らない…!」
それでも現実は覆らない。全ては起こってしまったことで、起こしてしまったことで、どんなに"そう見えない"としても、現実は無慈悲に彼らの心を否定する。
「…やってない。彼はやってない!無実だ!」
息子を信じてやれなかった田辺夫妻は、今度こそ彼のことを信じ抜いてやりたいと意固地になっていました。しかしそれが許されるのは、彼らの息子が本当はやっていなかったから。加々見は罪を犯してしまった以上、信じ抜くことは許されない存在でした。
「加々見は!"自殺する"かもしれません!!」
「……!!」
そうすることが最悪の事態を引き起こす可能性さえあります。信じてやれなかったことで1つの大事な命を失った夫婦は、信じ抜くことでまた1つの命を失うかもしれない。そんな悲劇があって良いはずがありません。
「おっちゃんおばちゃん…。どこ行ったか教えて。ちゃんと教えて」
激昂して言い聞かせる志摩と、涙を拭って現実を受け入れる伊吹。夫妻から彼の向かった先を聞き、加々見を追いかけます。
"人を殺す"ということ
現場にあった指紋と加々見の指紋が一致。
返り血を浴びた衣服が露わになったことで、加賀美が犯人であることが確定。
ホームセンターで包丁を盗み、彼が向かった先は自分の実家でした。
友人をクビにした専務は、加賀美の話を一切聞かずにパワハラで彼を苦しめました。その光景が奇しくも過去に毒親から受けた虐待紛いの教育とそっくりで。彼の脳裏に焼き付いた負のイメージが、彼の感情を爆発させてしまったのです。
それは純粋な怒りではなく、きっと自衛の意味も込められていたのでしょう。せっかく抜け出したはずの悪夢のような環境が、新しい居場所で再現されようとしている。その事実に、彼は自分のコントロールができなくなってしまいました。
勢いあまって手近にあった工具で専務を殺害。我に返った時には、取り返しのつかない状況になっていました。
どうあっても、何を繕っても、犯してしまった罪は消えない。なかったことにすることはおろか、隠蔽することだってできはしない。現実逃避を重ね続けて彼が辿り着いた感情の向けどころは、自らの父親の姿でした。
元はと言えば、あいつが俺にあんなことをしたからこうなった。俺がこんなことになったのも全てあいつのせいだ。だからあいつを殺して分からせる。自分の息子が犯した罪を教えて、絶望の淵に追い詰めた上で全ての復讐を果たす。
「あいつは一度も…一度だって謝らなかった…!」
誰に望まれたわけでもない。誰かのためでもない。ただ起こってしまったことに対する気持ちの整理は付けなければならない。彼の心に最後に残っていた感情は、言葉で言い表せないほどに闇を深めたものだったに違いありません。
「あいつのせいだ…!こうなったのも全部…!」
ぐちゃぐちゃになった心の歪みを抱えたままに、彼は実家に辿り着きました。
そして父親の姿を探すも、どこにもそれは見当たりません。それどころか、その家からは人が生活している空気さえ感じられませんでした。
謝罪への渇望
「――お父さん死んだんだって」
実家に現れた伊吹は、残酷な事実を加々見突きつけます。
彼の父親は2年前に交通事故で亡くなった。それを機にこの家にはもう誰も住んでいない。
だから加々見は目的を果たすことはできない。復讐すべき相手は自分の知らないうちに消えていて、彼の逃亡劇は全くの徒労に終わった。今自分が犯した罪のことを、相手に教え伝えることも永遠に敵わない。
伊吹に怯える加々見の後ろには、彼を冷徹な目で見詰める志摩の姿がありました。
「父親への当てつけで上司を殺したのか?そんなことのために自分の人生を棒に振ったのか?」
「違う…!」
彼の裏に潜んだ背景のことを、志摩は知りません。そして全ての人間が知知り得ません。当事者であった父親は死に、過去を知る者は誰もいない。本当の意味で彼に共感してくれる人も、その事情を理解できる人も1人として存在しないのです。
ただそこにあるのは「加々見は人を殺した」という事実のみ。どんな理由や事情があっても、彼を通して世間が見るものは、もうそれ以外に存在しません。
「始まりは、こいつ…!」
目的も感情の向けどころも、何もかも失った加々見は、志摩が持ってきた父親の写真に向かって包丁を突き立てます。
「こいつ、こいつ、こいつ…!こいつ!こいつを…!こいつを!!」
何度も何度も虚しく包丁を突き刺し、引き抜き。表情からは強すぎる怒りを滲ませて。殺したくて仕方がなかった相手がいないという現実から、彼はまたも逃避します。
「まだ一度も謝ってもらってない…」
最後に彼が漏らしたのは、父親にずっと抱き続けていた想いでした。子供の頃から酷いことをされて、彼は謝罪の1つも貰ったことはなかった。それが彼の心を最も侵していた事実でした。
誰しも許せない相手、許せない出来事は存在するものです。ただ憎むべき相手への強い感情は、単純な負の念ではなく「謝罪」への渇望であることも少なくありません。
一度でも謝ってもらえれば。すまなかったと言ってもらえれば。過去のことを全て水に流しても良い。一度は大切に思った相手だからこそ、相手にもそう思っていてほしい。そんな相手への強い執着が、怒りや憎しみと言う形で心を支配してしまいます。
きっと彼も上司から少しでも謝罪の意思を受け取っていれば、父親から謝ってもらえていれば、これほど鬱屈した感情を持ち続けることはなかったでしょう。でもその謝罪が誰からも貰えなかった彼は、最後には自分の心を抑圧し続けることができなくなってしまった。そう思えるのです。
殺した方が負け
「加々見さん…」
その姿を見て、志摩も伊吹も何も感じなかったわけではないでしょう。同情さえ覚えたはずです。
こうなってしまった原因は、彼個人のものではない。彼を取り巻く環境がここまで彼を追い詰めてしまった。それをしっかりと感じ取ったはずです。
「あなたは…人を殺した」
その上で志摩は加々見に毅然と言い放ちます。気持ちを推し量ることなく、残酷なまでに無慈悲に現実を突きつけます。
「理由はどうあれ、命は…取り返しがつかないんだよ」
それが彼の仕事であり責任である。けれどそれと同時に、何か自分に言い聞かせるようでもある。少なくとも志摩は、この場でその感情と事実を完全に割り切って発言しているわけではない。僕にはそう感じられました。
「馬鹿だなぁ…!殺しちゃ駄目なんだよ…!」
志摩の言葉を聞いて放心する加々見の元に、伊吹が駆け寄り声をかけます。志摩とは異なり、肩を掴んで彼の気持ちに想いを馳せるように、感情的に声をかけたのです。
「なぁ…?相手がどんなにクズでも…どんなにムカついても…"殺した方が負け"だ…」
それでも加々見を絶対に肯定しないのは志摩と同じです。
どんなに凄惨な背景があっても「それは仕方がない」「お前は悪くない」とは言ってもらえない。それが殺人という犯罪だと、彼に分からせるように言葉を投げかけました。
その言葉を聞いて泣きじゃくる加々見の姿を、伊吹は優しく見届けます。共感と理解がこもった伊吹の対応によって、加賀美はようやく自分の置かれた現実を理解できたのでしょう。
「無実でいてほしかったなぁ」
最後に伊吹はぼそりと、そう独りごちました。誰もが願ってそうはならなかった理想、言えなかった気持ちを噛み締めるように。それを見た志摩は自ら確保することなく、無言であえて彼に手錠を渡します。
「…………」
加々見を確保しながら2人は一言も言葉を交わすことはありません。すすり泣く声をバックに、ただ表情だけでこの場のやるせなさを共有している。アップテンポなはずのテーマソング「感電」が、どこか物寂し気に響き渡る。そんな印象的な幕切れでした。
「ごめんね」の一言
「加々見くん…!」
「ごめんね、最後まで付き合うって約束したのに…!」
確保され連行される加々見に向かって、人質だったはずの田辺夫妻は優しく声をかけました。
たまたまこの日に出会ってしまっただけの、何の関係もない他人同士。出会い方が違っていたら交わることさえなかったであろう、そんな数奇な運命に踊らされた2人と1人。
「いつかまた3人で"ドライブ"しよう!今度こそうどん食おう!」
全てにおいて大罪人であるはずだった加々見は、彼らとの出会いによってわずかながらの希望を得ることになりました。
「…………」
"大切な存在"と言うにはあまりにも互いのことを知らない。それでも、1つの大きな出会いが、互いの心の穴を埋め合うことはきっとある。
「――ごめんね」
ただ利用するためだけの相手。誰でも構わなかった人質。そんな他愛もない存在だったはずの夫婦は、初めて彼にその言葉をくれた存在になりました。加賀美がずっと望んで止まなかった言葉を。
犯した罪は償わなければなりません。そして償っても犯した"事実"は無くならない。彼はもう、それと死ぬまで向き合って生きなければならない立場です。
それでも彼は生きなければならない。
たとえ罪人であっても、その先の未来を過ごす理由と希望は必要なのです。
夫妻に向かって深々と頭を下げた加々見は、その希望を見たのでしょうか。全てを失って罪だけを残した加々見崇。いつか先の未来で、彼が全ての過去を乗り越えられることを願っています。
おわりに
第2話は1話から打って変わって、人間感情に強く寄り添った物語でした。
同チームが創り上げた前作『アンナチュラル』に期待してこのドラマを見始めた人たちにとっては、正に「これこれこれ!」と言いたくなる一話だったと思います。かく言う僕もその1人です。
恐るべしは2話でこれということ。3話以降にどのような物語が待っているのか今からドキドキで胸が高鳴ります。
今後とも熱量のある感想を心掛けて行こうと思います。是非ともよろしくお願い致します(なお毎話これと近しい文字数でお届けできるとは限りませんので悪しからず…書きすぎてしまった…)
期待して見始めましたが、既に期待以上の物語を届けてくれています。1クールしっかりと楽しんで行きましょう。それでは。
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