その他 音楽

『ロックマン30周年記念ライブ』17,000字ロングレポート&思い出語り【ロックマン歴20年が贈る】

2018年7月16日

幕間 Dr.ワイリーStage1 HipHop MIX by MCU

正式なタイトルってあるのだろうか…(すみません)

ここまでで15分の休憩を挟み、ライブは再開。
ヒップホップユニット「KICK THE CAN CREW」のMCUによる歌唱披露!

MCUさんは大のロックマンファンということで「Dr.ワイリーStage1」をアレンジした楽曲にラップをつけた曲を作成し、勝手にカプコンに送り付けたという経歴の持ち主とのこと。
歌唱前のトークでも「無印でどのワイリーの土下座が速いか」という話題で環境を爆笑の渦に包み込みました!

ハッシュタグ#土下座が速いと#タメ土下座はツイッターのトレンドにも上がるほどでした!

現役のプロフェッショナルによるロックマンをテーマにしたラップ歌唱はまた本家にはない味を出していて面白い。
短い時間ながらも、しっかりと観客にロックマンの可能性を見せてくれた時間だったと思います。

偏見かもしれませんが、ヒップホップを全力でやられている方はさほどゲームとかアニメに関心が深くない人が多いイメージがあり、こういうアプローチを生で見られること自体極めて貴重な機会な気がしてちょっと感動しました。

ゲーム音楽がアレンジされ演奏される機会は増えていると思うのですが、それでもヒップホップ系のアレンジってあんまりないんですよ。
当然そこにラップが乗るということはもっと少ない。

MCUさんはロックマンというゲームのファン層の広さ、そしてファンの熱量の高さを感じさせてくれたなぁと。

6.ロックマンエグゼメドレー【エグゼシリーズより】

さぁBGMの演奏に戻ります!
ここからは新世代とも言うべき「エグゼ世代」の楽曲を連続して演奏!

当時中学生でしたが、エグゼは3辺りからもう少し下の当時小学生世代に爆発的な人気となったシリーズ。
GBA作品の中ではポケモンに次いで流行っていたという話もあります。

過去のロックマンを知る世代が「エグゼ」と呼ぶ中、過去を知らない世代が「ロックマン」と呼んでいたことでネットが殺伐としていたりした記憶が!
この辺りは難しい話ですが、それぞれの世代で違うロックマンが「ロックマン」であっていい。そういうことだと思いますね。

僕個人にとっても通信対戦含めて最も時間を割いたシリーズなのは間違いなく思い出深い作品です。
毎年地区大会に行っては市民ネットバトラーのカードを貰って帰ってきていた思い出。
もう少しちゃんとネットで勉強してオフィシャル(主に地区大会準優勝以上)になってみたい人生だった。

革新的なシステムとストーリー重視の創りで大人気を博したエグゼシリーズ!
そんな新世代の楽曲メドレーが始まります!

RUNNING THROUGH THE CYBER WORLD【エグゼ1より】

1の学校の電脳などで流れる曲ですが、メインテーマと同一の曲というイメージも強いかと思います。
1~3までは同一のメインテーマを活用した名曲が数多くあり、その中の1曲ですね。

エグゼはRPGという体裁上、今までのステージ楽曲とは違いこの1曲から想起される情報量が非常に多い。
タイトル画面であったり、電脳空間を駈けるロックマンであったり、印象的なイベントシーンであったり…。

思い出すことが多すぎて言葉にならないですよね。
まさか生演奏でこれが聴ける日が来るとは思ってなかったわけですから。

毎年年末の楽しみとして、これをずっと待ち望んでいたのは言うまでもありません。
そしてその1作を次の1作が出るまで遊び尽くすのです。
お金がなく、沢山のゲームを買えない中高生時代では、そういう意味でも最高の作品だったと思いますね。

FINAL TRANSMISSION【エグゼ3より】

3におけるラストステージに当たるWWWの電脳からクリア後まで使われた楽曲。
メインテーマをアレンジしながらも、悲壮感の漂うアレンジとなっており、タイトル通り最後を匂わせる1曲です。

1曲目が同様にメインテーマアレンジだったこともあり、流れるように行ったこの曲への移行は見事の一言。
今ライブのメドレー演奏の中で最も美しい導入だったのではないでしょうか。

1の「RUNNNING~」の前向きなメロディからこの曲への落差がまたいい。
ラスボスであるプロトを倒した後に流れるイベントシーンを考えるとグッと来てしまう。

子供ながらに「あぁ終わってしまうんだな」と衝撃を受けたのを覚えています。何度もクリアして何度も見ていた気がします。
物凄く鮮烈で物凄くショックでした。ストーリーを見てもでしたが、子供としてはやはり「次の年にはもうエグゼはないんだな」という現実と向き合わなくてはいけなかったのが辛かった。それくらいエグゼが好きだったんですよね。

なので、4が発表された時は一番嬉しかったように思います。
同時に子供ながらに「あの終わり方で続き出すんかい!!」と突っ込み入れた記憶もありますね(笑)

そんな気持ちを思い出させてくれる時間でしたね。

THEME OF ROCKMAN EXE6【エグゼ6より】

文字通り『ロックマンエグゼ6』のテーマソングとして使われた楽曲。
エグゼは実質テーマソングメドレーですね。

何だかんだシリーズ通して一番遊んだのがエグゼ6だった気がします。
対戦の充実度が半端じゃなかったですからね。今でも遊びたい。
何年経っても色あせない面白さとはこのことです。

エグゼシリーズ最終作の表題を飾るこの曲は、過去のメインテーマの雰囲気を踏襲しつつも、更に哀愁漂うメロディアスな仕上がり。
メドレーとしても、前2曲からの繋がりが本当に素晴らしい形に仕上がっていました。

こういう曲調や雰囲気のある程度近しい楽曲を続けて演奏する場合でも、本当に見事に曲のバランスが整うんですよね。
演奏される楽器の種類の豊富さによって、細やかな曲調の違いを正確に表現することができるからだと思います。

エグゼシリーズもGBAという機種の都合上、BGMも電子音でのアプローチとなります。
如何に細かい音の違いで雰囲気を出すかというのが音楽の肝だったと思います。

そういうニュアンスを表現し分けるにはやはりロックバンドメンバーだけでは限界があるんですよね。
どうしてもロックサウンドのイメージが強いので、最初は正直「へぇブラスバンドとかも呼ぶんだ」という印象だったんです。

聴いてみた結果、想像以上にブラスバンドの存在が大きいライブだったなと思いました。
ロックバンド中心の楽曲の時は、Mosの方々がステージに出てきて煽ってくれたりと、空気作りも兼ねて頑張ってくれていたのもあり、本当に一味も二味も演目の素晴らしさを深めてくれたと思います!

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7.流星のロックマンメドレー【流星シリーズより】

エグゼシリーズの後継策に当たる『流星のロックマン』シリーズ。
こちらもメドレーでの演奏!
普通に面白いんですが、エグゼからのメジャーチェンジという恐るべき大役を任されたことにより色々と苦難を強いられたシリーズでもあるかと思います。

遊びやすさはエグゼより上で、ストーリーもシリーズ通してなかなかの出来。
特に『3』はあらゆる面でエグゼとは一線を画し、独自性を昇華させた名作です。
未プレイの方は是非是非。

プラットフォームの変更により音楽的なアプローチも大きく変化。
宇宙がテーマとなったシリーズのストーリーを踏襲するような奥行の深いサウンドが特徴かと思います。

では演奏楽曲を紹介して行きましょう!

Shooting Star【流星1より】

1のメインテーマであり、流星シリーズ全体のテーマ曲とも言えます。

主人公が引きこもりスタートということもあり、悲しげというより控えめという印象から大きな拡がりを持っていく楽曲です。
始まりの音楽として間違いない名曲だと思います。

なんというか、演奏された曲の中では最も前向きなテイストが強い一曲だったと思うんですよね。
故に全出演者の活き活きとした演奏が印象的でした。特にバイオリンは輝いてましたね。

見てるこっちも笑顔になってしまうような、会場全体に拡がって行く心地良いサウンドでした。

この曲もまた生演奏による音楽的な拡がりが強く出た一曲だったと思います。
エグゼシリーズがメドレーで豊富な演奏陣の良さを魅せてくれたとしたら、この曲は1曲の中で、楽器演奏による奥行の深さを見せてくれたような感じ。

生演奏ってのは本当に色々な魅力が詰まっているなぁと感じざるを得ませんね。

Wave Battle【流星2より】

2より通常ボス戦BGMが続きます!
実は今回の演目で初めてとなる「純粋なボス戦曲」です!意外にも!

自分でもなんでか分からないんですけど、流星のBGMの中でも取り分けこの曲は印象に残っています。
ボス戦の中でも思い出されるのは流星2のこの曲なんですよね。
この曲に合わせたオックス・ファイアの登場がフラッシュバックするのは俺だけか……?

ということで生演奏が聴けたのは本当に心に来た曲の1つです。

淡い表現が得意な流星シリーズの中では珍しいストレートなハードロックチューン。
それを活かしたロックテイスト強めの演奏はカッコよさ抜群。

1曲目との落差も上手く決まり、この曲のストレートな激しさがより強調される形に。
流星シリーズのメドレーは未プレイの人でも特に音楽的に楽しめるような創りになっていたんじゃないなぁと!

Last Battle【流星3より】

ゴリッと行こうぜ!!
最終作、流星3よりラスボス クリムゾンドラゴン戦を演奏!!

流星はメインテーマ→ボステーマ→ラスボステーマとワイルドな創りに。
前記もしていますが、流星シリーズは淡く電子的ながらもどこか幻想的な音楽の印象が強いのです。
その中でこういう激しめの曲をド直球にチョイスしてきたのには意外性がありました!

ここに来てロックバンドの腕の見せ所と言わんばかりのメドレーには舌を巻きましたね。
荒れ狂う弦楽器陣のパフォーマンスは圧巻でした。

流星3のラスボスはストーリー的にもシリーズ通して積み上げてきたものが炸裂しているイベントシーンです。
ラスボスらしい不穏さを押し付けてくる反面、メロディラインからは主人公達の立ち向かっていく強さも感じられる楽曲に仕上がっていると思います。
メドレーのラストを飾るラスボス曲として前と後ろ両方のテイストを内包したこの曲は、正にベスト。

エグゼから連続して演奏されたこのメドレーは、2作品を1つの物語として表現する意味合いもあったと思っており、非常に良かったです。
演奏の盛り上がり的にも内容的にも最高でした!

これを生で聴けた未プレイの方々は是非『流星のロックマン』を遊んでくれよな!

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8.ロックマンゼロ/ZXメドレー【ロックマンゼロ/ロックマンZXシリーズ】

同じ世界観を踏襲したこちらの2作品は同時にメドレーとして演奏。
厳密に言えば無印から同じ世界観ではあるんですが、まぁ…何が正史か最早分からないし…。

『ロックマンゼロ』シリーズは「エグゼ世代」に括られる作品群の1つ。
エグゼでロックマンを知った子供達に真の(横スクロール)ロックマンの恐ろしさを伝え、阿鼻叫喚の渦を巻き起こしたと言われる悪名高き(褒めてる)シリーズですね。
アステファルコンを許すな。

かく言う自分もクソほど難しい内容に心を折られそうになりながらクリアし

テツクズ

と言われた時は「二度とやらん」と思ったものです。
なんだこのリザルトとかいうシステムは。何をやってもずっと減点じゃないか。
※サイバーエルフを使ったせいです。

そもそもゼロシリーズはいわゆるこんなのゼロじゃない現象によってオンタイムではプレイしていない作品です。
ZXをプレイして「これ系意外と面白いな」と思いゼロに戻り、上記の末路です。全てがゼロになった。

後に実況プレイ動画ブームに乗って100点を取っている人がいるのを知って「すげぇ!俺もやってみたい!」と思うようになりのめり込みました。
今では自分もアベレージ100点を取れる程度の腕前です!

ゼロシリーズのゼロもスーパー最高にカッコイイので、是非プレイしてほしいです!
キーコンフィグによって遊びやすくなったコレクションがオススメですよ!

さぁ昔話はこれくらいにして、演奏楽曲の紹介に参りましょう!

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Departure【ゼロ2より】

ゼロ2よりOPステージの曲を演奏。
何かとOPステージ曲に定評がありますよねゼロ(※キャラクター)は。

前奏に合わせてボロボロのマントを豪快に脱ぎ捨てるという厨二の心を刺激する演出が印象的。
アレンジCDでは「Clover」という曲名でボーカルアレンジもされているシリーズ屈指の有名曲です。
これを楽しみにしていた人も大勢いるのではないでしょうか?

ゼロシリーズの曲は荒廃感、アンダーグラウンドな雰囲気がより強められたテイストで、生演奏による表現が非常に難しいような気がする(本当にイメージ)のですが、原曲の雰囲気を尊重した素晴らしいアレンジだったと思います。

この曲も後ろで響いている謎の電子音が哀愁を醸すゼロシリーズらしい独特なアプローチ。
エグゼ同様、GBAという媒体の電子音ならではの面白さがシリーズ全体に詰まっています。

曲の印象とは裏腹に、丁寧且つ繊細なバンドが魅力的に映る演奏でした!

Esperanto【ゼロ4より】

ゼロ4と言えばやっぱりこの曲!
エリア・ゼロのBGMであり、拠点となる集落でもアレンジ版が使われている実質的なテーマソング。
「Freesia」というタイトルでボーカルアレンジもされ、エンディングでも流れる珠玉の一曲です!

「Departure」に続くシリーズ屈指の名曲をチョイス。
ゼロシリーズでは珍しいひたすらに前向きでメロディアスな楽曲。

バイオリンとブラスバンドの演奏が冴え渡る実直でひたむきなアレンジは必聴と言えるものでした!
もっと聴いていたかった!ゼロシリーズファンにとってこれ以上ないファンサービス!マジで!

ロックマンゼロは3でシリーズを通して問うてきたゼロ自身の存在意義について一区切りついています。
ゼロ4は最終作にして様々な意味で新しさを感じる作品ということで、その象徴としてこの曲は大きな意味を持っていたのです。

『ロックマンゼロ』シリーズ全体を通して語るには、この「Esperanto」が必要です。
生演奏を聴きながら、このゼロの最終的な生き様を思い出し、アベ100プレイを頑張っていた自分も思い出す時間となりました。

真面目にプレイしたのが20歳くらいのことだと考えても、色々感じるものがある作品ですねゼロシリーズは。

Wonder Panorama【ZXより】

ロックマンZXシリーズより水中ステージエリアFで使われたこの曲。
アレアレェ?なんでこの曲―ーザッケンジャネェゾオラァ!!?
ゼロ→ZXからフルボイスになり何かと印象深いルアールちゃんのステージ。

実は千秋楽では初となる水中ステージの楽曲です。
ロックマンシリーズと言えば水中ステージの独特な雰囲気も外せない要素の一つであり、名曲と呼ばれる曲も多いです。
今回はZXからの採用となりました。

ZXシリーズはローテンポで空気感を大事にした不安定な曲が多い印象。どことなくいや~な感じがする曲が多いんですよね。
その中でもこの水中ステージの楽曲はプレイ中に得も言われぬ緊迫感を醸していたのは記憶に根深いです。

独特のギターサウンドとバイオリン演奏の複合によって生演奏ならではの良さが曲の面白さを引き出していました。
ゼロのアップテンポな音楽から一転して幻想的な空間を形成しており、同じメドレーながらもゼロとZXの楽曲の違いが明確に分かりやすい形になっていたと思います。

正直、ZXの中でももっとメドレーに相応しい曲があったんじゃないかとは本当に思います。
しかし同じ系譜の作品ではあるのですが、メドレーで一まとめにするにはあまりにもテイストに差がありすぎる作品。

セットリストの都合などもあり、制約がある中で曲のチョイスやアレンジをしなければなりません。
2シリーズの良さをそれぞれ主張する構成に落ち着けてきたのは、構成の妙があって面白いなと思いました。

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はつ

『超感想エンタミア』運営者。男性。二次元イケメンを好み、男性が活躍する作品を楽しむことが多い。言語化・解説の分かりやすさが評価を受け、現在はYouTubeをメインに様々な活動を行っている。

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